久しぶりに西部劇

ブックオフでゲットしたレンタル落ちと思われる西部劇DVD『テキサス・レンジャー』(2009年/監督:アラン・チャン)を観る。
東部から父の牧場に帰って来たエリン(ハンナ・ハーグ)は、牧場が悪徳銀行家モティマー(ロン・E・ハリス)の取り立てにあっていることを知ります。馬を売って借金返済しようとしていた父は、モティマーの手下に襲われて重傷。馬も奪われます。弟が鉱山の給料を運ぶ馬車を襲いますが失敗。様子を見ていたモティマーの手下が金を横取りします。エリンは事件の調査にきたテキサス・レンジャーのフリント(アダム・ハーゲンバック)と仲良くなり……
モティマーは金だけでなくエリンも狙っているのですが、ロン・E・ハリスは悪党の親玉とはとても思えない貧相な役者で、これだけで興覚め。モティマーの手下たちも、馬に乗れるというだけで集めてきたようなオッサンばかり。ぬるいアクションで、素人の西部劇ゴッコですよ。やたらドンパチするものの、ダラけた演出で退屈なだけです。これほど酷い西部劇は、めったにお目にかかれませ~ん。

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時代劇から

現在放送されている新作時代劇は、BSプレミアムの『大富豪同心』とBSテレ東『やじ×きた』の2本。

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『大富豪同心』は、幡大介の小説“大富豪同心”シリーズ(現在22巻まで刊行)のドラマ化で、江戸随一の豪商・三国屋(竜雷太)の孫・卯之吉(中村隼人)が同心となり、難事件を解決していくという1話完結のドラマです。暗闇が怖い、剣はまるでダメでも、財力と放蕩生活で得た知識で事件解決。第1話を観ただけですが、中村隼人は主人公のキャラにぴったり嵌っており、キャスティングは成功ですね。卯之吉を守る用心棒の村田雄浩にヤクザの親分・渡辺いっけい、相談相手の芸者の稲森いずみもグッド。今後のエピソードが期待できます。
巧いキャスティングといえば、『やじ×きた』の松尾諭和田正人もグッド。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」の主人公・弥次郎兵衛(やじさん)と喜多八(きたさん)の物語は、これまで映画やテレビに何度も登場していますが、徹底的に女好きのスケベーにしたのはユニークです。時代考証はメチャクチャですが、コメディとしての面白さは満点。ちなみに、十返舎一九役で竹中直人が出演していますが、少し臭くて鼻につきま~す。

懐かしの昭和映画関連で

録画していた『猛獣大脱走』(1983年/監督:フランコ・E・プロスペリ)を観る。動物園の檻から抜け出した猛獣たちが人間を襲うというイタリア製動物パニック映画です。
エッチしていたアベックがネズミの大群に襲われて殺された現場から獣医のリップ(ジョン・アルドリッチ)が動物園に戻ってみると、セキュリティ管理のコンピューターが壊れていて全ての檻から動物が消えています。街に出た猛獣たちは次々と人間を襲いはじめ……
筋肉の力を90倍にさせ、凶暴性を高めるPCPという薬物が工場廃液として流れだし、ネズミが凶暴化。さらにそれが何故か動物園の飲料水にも混じって動物が凶暴化。そして何故か学校の飲料水にもそれが混じって子供たちが凶暴化という焦点の定まらない物語。物語のいい加減さはあるものの、監督のプロスペリは、一時ブームとなったヤコペッティのドキュメンタリー(『世界残酷物語』が有名)の製作者で、ドラマよりも色々な猛獣が人間を襲う見世物を作りたかったんですな。象に踏まれてペッシャンコ、チータに追われてドッテンシャンと、イタリア映画らしいサービス精神にあふれています。当然、血みどろスプラッターもね。
現在ならCGで自由に動物を動き回らせますが、当時は本物の動物を使っての撮影。多彩なカットと編集で猛獣の襲撃シーンを描いています。意外と生の迫力がありま~す。

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画像は、『猛獣大脱走』のパンフレット。地方では、『プロジェクトA』との2本立てでしたが、ロードショー館ではロアリング360システムという立体音響で上映されたとのこと。迫力が倍増したのかな。

泥棒関連で

 気になっていた『泥棒貴族』(1966年/監督:ロナルド・ニーム)のブルーレイが安く手に入ったので早速観る。先日観た『モネ・ゲーム』のオリジナル作品です。
中東の大富豪シャベンダー(ハーバート・ロム)が秘蔵する彫像を盗もうとしているハリー(マイケル・ケイン)は、香港で踊り子をしているニコール(シャーリー・マクレーン)を報酬5千ドルでスカウトします。ニコールは10年前に結婚生活1年で死んだシャベンダーの愛妻にそっくりで、招待客しか部屋に入れないシャベンダーの気をひかせるためだったのね。二人はイギリス貴族夫婦に化けてシャベンダーのホテルに宿泊。何とかシャベンダーに招待されますが……
冒頭、約28分にわたるケインの計画(妄想)シーンにはじまり、いざ現実に事がおよぶや、「こんなはずではなかった」という展開は、『モネ・ゲーム』がそのまま踏襲していましたね。妄想では一言も言葉を発しないミステリアスな雰囲気を見せたマクレーンが現実では饒舌なシャキシャキ娘。妄想ではクールな盗賊ぶりを見せたケインが現実ではシドロモドロ。妄想では典型的な中東の大富豪ぶりを見せるロムが現実では近代的な観察眼をもって二人を探ります。この妄想と現実、三者三様のキャラクターのギャップは『モネ・ゲーム』より格段に優れています。ハッカーによるセキュリティ解除ばかりの最近の映画と違って、アナログ的方法での防犯解除はハラハラして愉しいですな。あかの他人なのに瓜二つというのは気に入りませんが、大らかなユーモアにあふれたサスペンスは最近にないもので、1960年代の良さが出ていて味わい深い作品で~す。
ちなみに、『モネ・ゲーム』はここへ⇒https://nostalji.hatenablog.com/entry/2019/04/28/104415

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これもスピンオフ?

録画していた『オーシャンズ8』(2018年/監督:ゲイリー・ロス)を観る。ダニー・オーシャンの妹が犯罪集団を結成して宝石泥棒するクライムサスペンスです。
ダニー・オーシャンの妹デビー(サンドラ・ブロック)は5年の刑期を終えて出所。出所早々、刑務所の中で考え抜いたプランを実行すべく、親友のルー(ケイト・ブランシェット)と共に仲間を集め、女性ばかりの“オーシャンズ”を結成します。彼女たちのターゲットは、世界最大のファッションの祭典メットガラでハリウッド女優ダフネ(アン・ハサウェイ)が身に着ける1億5千万ドルの宝石。盗みは成功しますが、凄腕の保険調査員(ジェームズ・コーデン)が乗りだします。利用されたことに気づいたダフネも仲間入りし、デビーはかつて自分に罠をかけた男ベッカー(リチャード・アーミテイジ)を犯人に仕立て……
上記3人の他は、ファッションデザイナーのローズ(ヘレナ・ボナム・カーター)、宝飾デザイナーのアミータ((ミンディ・カリング)、盗品バイヤーのタミー(サラ・ポールソン)、スリのコンスタンス(アウクワフィナ)、ハッカーナインボール(リアーナ)の5人。最後に一捻りありますが、さしたる障害もなく計画通りに犯罪完了するので物足らなさはあります。だけど、無理やり障害を作って、下手なアクションシーンを見せられるより益しですな。女だけの盗賊集団と、それに適した舞台設定のアイデアだけで点数アップしま~す。

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A級スピンオフ

録画していた『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018年/監督:ロン・ハワード)を観る。ルークやレイアと出会う前のハン・ソロの若き日の冒険物語です。
銀河帝国による支配が増す中、自由を求める若者ハン(オールデン・エアエンライク)は幼馴染のキーラ(エミリア・クラーク)と故郷コレリアから脱出を図りますが失敗。キーラだけがコレリアに取り残されます。ハンは銀河一のパイロットになってキーラを迎えに戻ると誓いますが、送られたのは戦場。それから3年後、軍からの脱走を試みて捕らえられ、同じように捕らえられていたチュー・バッカと出会い、戦闘のドサクサにまぎれて二人は脱出します。帝国軍の運搬船を盗み出した盗賊ベケットウディ・ハレルソン)の仲間となり、高額ハイパー燃料コクアシムを積んだ帝国軍の列車を襲いますが……
スターウォーズ”は最初の三部作(エピソード4~6)だけでよかったものを、ディズニーが“スターウォーズ”の権利を取得して商業イベント化。作品の質は低下しましたな。この作品は、興行成績は悪かったようですが、最近の“スターウォーズ”作品の中では上出来ですよ。“スターウォーズ”が本来持っていた活劇の面白さが出ています。ところどころ他の作品で見たようなシーンもありますが、プロットを宇宙におきかえた西部劇の雰囲気はグッド。“ハン・ソロ”シリーズの続編なら、今後も歓迎で~す。

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箱根旅行3日目(5月6日)

ホテルで手荷物を預かってくれるというので、チェックアウトをすませ、荷物を預けて箱根関所跡港9:00の芦ノ湖遊覧船で箱根園へ。駒ヶ岳ロープウェイで山頂に昇っても曇天の厚い雲に覆われ何も見えませんでした。箱根園にある箱根水族館を見学。箱根水族館は日本で一番標高の高いところにある水族館とのこと。カワウソやアザラシなどがいますが、他の水族館と比べて際立った特徴はありません。
箱根園港11:15の遊覧船で箱根関所跡港に戻り、荷物を受け取った後、箱根関所跡12:05の伊豆箱根バスで、十国峠経由で熱海へ。十国峠ケーブルカーで展望台に昇り、360度眺望(雲っていたので富士山は見えず)しました。十国峠レストハウスでの遅い昼食の後、13:55のバスで熱海に行き、上野東京ラインで帰宅。箱根には、もう行くことはないでしょう。

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画像は、芦ノ湖遊覧船