たまには読書

nostalji2005-06-09

ブックオフ”で購入したまま放ったらかしていた小林久三の『龍馬暗殺−捜査報告書−』(光風社文庫:2000年3月1日初版発行)を読了。坂本龍馬暗殺については、現在有力なものとして幕府黒幕説、薩摩黒幕説、土佐黒幕説がありますが、著者は薩摩(西郷隆盛)黒幕説をとっています。その背後にグラバー、さらにロスチャイルドがあったとする点が新しいところですね。武力倒幕することで、武器販売で巨利を得ることのできるグラバーが薩摩をけしかけて龍馬を暗殺させたというわけです。フランスから武器援助を受けて幕府が徹底抗戦すれば内戦が長引き、グラバーの目論見通りになったのでしょうが、徳川慶喜が恭順して江戸城無血開城したことはグラバーの予想外のことで、明治3年にグラバー商会は不良在庫を抱えて倒産しました。
龍馬暗殺の謎を描いた映画として『六人の暗殺者』(1955年・日活/監督:滝沢英輔)がありますが、これも薩摩黒幕説でしたね。