役者は揃っていたが

nostalji2014-08-12

録画していた時代劇『商魂一代 天下の暴れん坊』(1970年・東宝/監督:丸山誠治)を観る。岩崎弥太郎の半生記です。
土佐藩の下級武士・岩崎弥太郎中村錦之助)は、庄屋と父親(小沢栄太郎)の喧嘩に対して、奉行所の調べが片手落ちだと文句をつけて入牢させられます。そこで材木商の瀬左衛門(東野英治郎)から商売の仕組みを習います。封建経済の不合理さをひっくり返すために、急進的な武市半平太木村功)の門に入り、坂本龍馬北大路欣也)と知りあいますが、彼らが命を狙う吉田東洋仲代達矢)から産業発達の必要性を聞かされ、それに共鳴して東洋の門下になり、瀬左衛門と土佐の産業開発に乗りだします。弥太郎は瀬左衛門の娘・お律(佐久間良子)に恋をしますが、お律は武市派の久松喜代馬(田村高広)と愛しあっており、東洋暗殺の後、喜代馬と駆け落ちして姿をくらまします。お律を忘れられないまま喜勢(中村玉緒)を嫁に迎えた弥太郎は、後藤象二郎中谷一郎)の推薦で、長崎の土佐商会で外国貿易に従事。グラバーなど外国商人と商談にあけくれる中、龍馬やお律と再会します。時代は大きく変化して明治となり、弥太郎は独立して三菱商事を設立します。国家のためにを念頭に、日本の海運事業を守るため、英国のピーオー商会と激烈な値下げ競争が始まり……
弥太郎の部下役で井川比佐志と中村敦夫、政府関係者で大隈重信役に芥川比呂志大久保利通役に神山繁、弥太郎の従兄弟で昔気質の武士役の南原宏治など、賑々しい顔ぶれとなっていますが、顔見せ程度ね。大河ドラマのダイジェスト版のような内容で、ドラマに深みがなく、盛り上がりにも欠けます。錦之助の熱演もセリフだけ(具体的映像表現がない)なので空々しいです。史実の中に、面白い創作を盛り込むことができなかった失敗作で〜す。