クリント・イーストウッド伝説

nostalji2006-03-18

昨日、図書館で借りてきたダグラス・トンプソン:著(奥田祐士:訳)の『クリント・イーストウッド伝説』(白夜書房:2005年11月1日初版発行)を読了。イーストウッド本人および関係者への30年間のインタビューをもとに、イーストウッドの人生観や映画思想を描き出した評伝。イーストウッドが西部劇にこだわりを持っているのは、「アメリカ産の芸術といえるのは、西部劇とジャズだけだ。なのにアメリカ人は、もうその両方を見限っている。おかしな話だ」と言う彼の言葉に表れています。『ローハイド』で有名になる前に出演した『シマロン峠の待ち伏せ』を、「Z級の映画、史上最低の西部劇」と言っているのは、スティーブ・マックィーンが『拳銃無宿』で有名になる前に出演した『セントルイス銀行強盗』(原題:The Great ST.Louis Bank Robbery)を「タイトルだけが“グレート”なお粗末な映画だった」と言っているのと相通じますね。生活費を稼ぐためだけに出演した作品には愛着を持てないんでしょうねェ。