ビデオで『烙印の狼』(1966年/監督:バーナード・マックビーティ)を観る。『ライフルマン』で人気の出たチャック・コナーズが映画主演した西部劇です。テキサスの町に国勢調査に来た調査員(ジェームス・マッカーサー)が、酒場のバーテン(アーサー・オコンネル)から、この町で西部開拓時代に起きた事件の話を聞く形で物語が始まります。バッファロー狩りで稼いだ17000ドルを持って11年振りに妻(キャスリン・ヘイズ)のいる故郷の町に戻ってきた男(チャック・コナーズ)が、途中で牛泥棒と決めつけられて3人の男(マイケル・レニー、ビル・ビクスビー、クロード・エイキンズ)にTの字の烙印を胸に押されるんですな。ポール・フィックスの介抱で回復したコナーズは、気絶している間に金が盗まれたことに気づきます。復讐と金を取り戻すために町に行ったコナーズは妻が銀行家のマイケル・レニーと再婚しようとしていることを知ります。妻はコナーズが死んだと思っていたんです。町でビル・ビクスビーを見つけたコナーズは、彼を捕らえて焼印で脅しますが、ビクスビーは精神に異常をきたし、自ら焼印を腹に押し当て自殺します。この事件を聞いたクロード・エイキンズは17000ドルを盗んだのは、牛泥棒仲間のポール・フィックスか銀行家のレニーと考え、フィックスを殺し、レニーを脅します。自分のしたことを後悔したレニーはコナーズに金を返して赦しをこいますが、そこにエイキンズが現れ……
劇場公開されていますが、テレビ出身の監督とキャストによるテレビムーヴィのような作品です。ジメジメした物語がモタモタした展開で元気ハツラツといかないのですが、唯一の見せ場はクライマックスのコナーズとエイキンズの大格闘かな。酒場を壊しまくりますからね。主人公が虎のような獰猛な男ということで、原作(小説)の題名は『虎の夜』ね。ヨッパライのエイキンズが酒場で暴れるからではありません。
それにしても、テレビで人気が出ても映画で成功するスターは少ないですね。『拳銃無宿』のスティーブ・マックィーン、『ローハイド』のクリント・イーストウッド、『マーベリック』のジェームズ・ガーナーくらいかなァ。