バカの壁

nostalji2006-07-07

サントラCDを聴きながら、養老孟司:著の『バカの壁』(新潮新書:2003年12月20日第39刷発行)を読了。評判のベストセラーだったので、100円だったし、一応読んでおこうと思ってゲットした本。書かれていることは、確かに肯けるのですが、それがどうしたという感じなんですよね。深い内容があるわけでなく、ネーミングで売れたような気がします。信州大学教育学部が長年にわたって行なっている“抑制”実験には興味がひかれました。子供の目の前に、赤のランプと黄のランプを置き、黄のランプが点いた時だけ、手元のスイッチを押すように指示をしておく。子供はどうしても手元にあるものをつい押したがってしまう。赤ランプで押せば間違いで、この間違い率を測っているんですよ。約30年前に小学校低学年が出していた正解率と、現在の小学校高学年が出している正解率が同じだそうで、“抑制力”が低下しているんですね。それだけキレやすくなっているということです。何故キレやすくなっているかといえば、脳の前頭葉機能が低下しているからなのですが、どうすれば、前頭葉機能を高められるかについては書かれていません。結局、事実の列記だけで終わっていま〜す。
バカの壁』のブックカバーは、新書の統一デザインで面白みがないので、画像は『時計仕掛けのオレンジ』のサントラCDジャケット。スタンリー・キューブリックは『2001年宇宙の旅』でもそうでしたけど、クラシック音楽を効果的に使っていましたね。この作品でもベートーベンの“第九”が効果をあげています。暴力衝動丸出しの主人公がBGMとして聴いているのが“第九”なんですよ。ベートーベンの音楽って、どこか暴力的なんですよねェ。