史実には、ほど遠く

nostalji2010-01-15

録画保存しておいた『ドク・ホリデイ』(1971年/監督:フランク・ペリー)を観る。西部劇では有名な実在したガンマン、ドク・ホリデイの物語ね。ワイアット・アープの相棒的存在で、映画には何度も登場していますが、主人公にしたのはこの作品だけですね。だけど、キャラが明確になっておらず、感情移入できません。トゥームストンに行く途中の酒場で、ドク(ステイシー・キーチ)がアイク・クラントンとのポーカーの勝負に勝ち、ケイト(フェイ・ダナウェー)と知り合うところから始まり、ワイアット・アープ(ハリス・ユーリン)に味方してクラントン一家と戦うOKコラルの決闘がクライマックスになっています。ケイトとの恋愛関係やアープとの友情を曖昧にしているのは、それまでのドク・ホリデイ像とは違ったものにするためですかね。ワイアット・アープも、保安官選挙に勝って町を牛耳り、甘い汁を吸おうと考えている美徳とは無縁な野心家となっています。1970年代の西部劇の特徴である修正主義西部劇ですね。伝説の陰に隠れた人間としての本質をリアルに描こうとする、偶像破壊テーマで、当時としてはそれなりに価値があったのでしょうが、現在の視点からすると陰気なだけですな。内容的にも史実とかけ離れたもので、OKコラルの決闘なんてムチャクチャ。モーガン・アープは決闘で死なないよォ。