松山容子の殺陣

nostalji2016-07-09

テレビ時代劇『月姫峠』DVDボックスの「戦国女獅子(全2回)」と「血を呼ぶ仏像(全2回)」を観る。
「戦国女獅子」は、信長の黄金を狙う女忍者と月姫の戦いを描いた物語。朝倉家に雇われた忍者集団・まぼろし族の首領・夜叉姫(斎藤友里子)は信長が支配する松倉金山の黄金を狙っています。夜叉姫と戦って傷を負ったつむじ風(秋葉浩介)からそのことを聞いた月姫松山容子)は松倉金山へ。木下藤吉郎に命じられた福島市松(倉丘伸太郎)が金山の護衛としてきており、金蔵を襲ったまぼろし族のひとりが金山役人の鈴木民部(小柴幹治)であることをつきとめます。月姫は奪われた黄金を取り返すためにまぼろし族の隠れ家に乗り込み……
小柴幹治は、『紅孔雀(五部作)』での信夫一角役が忘れられませんね。斎藤友里子という女優は全く知らないなァ。『琴姫七変化』に出ていた川保まきと同様に立回りができるので起用されたかな。
「血を呼ぶ仏像」は、百万両の金剛石が隠されている仏像の争奪戦。斎藤道三が信長に贈るはずだった百万両の金剛石が隠されている仏像をつむじ風に届けようとしていた隠密が六角承禎(乃木年男)の兵士に殺され、その場に居合わせた無双丸(石倉英彦)が仏像を手に入れます。仏像は六角承禎(乃木年男)だけでなく、盗賊忍者・霧兵衛(波多野博)と鬼東左馬允(出水憲司)も狙っており……
乃木年男は再登場。寝覚の弥十(天野刃一)は鉄砲で狙われた月姫を庇って死に、月姫と鬼東左馬允の因縁も決着がつきます。天野刃一と出水憲司はこれにてお役御免。
月姫峠』の魅力は、何といっても松山容子のチャンバラにあるんですが、身体のバランスが凄くいいですね。崖の上の岩場のような足場の悪い場所でも動きがスムーズで流麗な太刀さばきを見せてくれます。後年の『旅がらすくれないお仙』や『めくらのお市』と違って袴姿なので動きがワンテンポ早いです。流れるような美しいフォームで斬りまくるのは近衛十四郎の立回りに似たところがありますね。特に、上へ斬りあげる剣技が多いのもね。松竹にいた時に近衛十四郎のチャンバラを真近で見ていたのかなァ。