生きる目的

nostalji2011-10-16

録画していた『最後の忠臣蔵』(2010年/監督:杉田成道)を観る。大石内蔵助片岡仁左衛門)から命令を受けて、16年に亘り浪士の遺族を捜し出して援助してきた寺坂吉右衛門佐藤浩市)が、討入り前夜逃亡した瀬尾孫左衛門(役所広司)を見つける。寺坂と瀬尾は、用人という身分関係(寺坂が吉田忠左衛門の用人で、瀬尾が大石内蔵助の用人)から親友だった。寺坂は瀬尾の逃亡理由がわからず、後をつけるが見失ってしまう。大石より瀬尾は、愛人の可留と産まれてくる子の面倒をみてくれるように命令されていたのだ。
この作品は、忠臣蔵の後日談というより、池宮彰一郎の『四十七人の刺客』の後日談です。可留は娘の可音(桜庭ななみ)を産んですぐに死に、瀬尾が育てるんですな。瀬尾に手助けするのが、元島原の太夫だったゆう(安田成美)で、可音は美しさと教養を備えた娘に成長します。そんな可音を見初めたのが、豪商・茶屋四郎次郎の息子(山本耕史)ね。可音と瀬尾との主従を越えた親子さらには男と女としての情愛が細やかに描かれています。桜庭ななみという女優を私は初めて見たのですが、役にはまった好演でした。茶屋家との婚礼が終り、主命を果たした瀬尾は、ゆうとの生活を断り、武士らしく生きる(死ぬ)こと決意します。武士として、討入りで死ねなかった男の生き様を描いた好編といえま〜す。
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