カメレオンの勝ち

nostalji2011-10-28

昨日は久しぶりにシネコンで映画観賞。SF西部劇の『カウボーイ&エイリアン』(監督:ジョン・ファブロー)と、西部劇パロディ満載のアニメ『ランゴ』(監督:ゴア・ヴァービンスキー)を観たのですが、『ランゴ』の方が良かったですね。
カウボーイ&エイリアン』は、西部劇ファン&SFファンの私には気に入らないところだらけです。開拓時代の西部にやってきたエイリアンとの戦いで、エイリアンに連れさられた町の住民を救出するために、ラストではインディアンも協力して大銃撃戦になるのですが、演出が下手なせいか戦い全体の進展がよくわからないんですよ。それと、往年の西部劇では定番だった落馬して引きずられるような西部劇的アクションが不足しています。ガンマン&インディアンの連携にも工夫がないしね。ダイナマイトを取りけた矢をインディアンが射って、ガンマンがダイナマイトを銃で撃つとか、投げ縄でエイリアンを身動きできなくしてインディアンがエイリアンに跳びのり、トマホークで頭をカチ割るとか、考えれば色々な西部劇アクションを取り入れることができたと思いますよ。酒場の主人が銃を扱えず、医者が射撃を教えるなんて、逆じゃないか。監督は西部劇をあまり観ていないんじゃないの。
SF面でもアラが多いですね。エイリアンの造詣が酷すぎます。高度な文明を持つ知的生命体にはとても思えません。戦うのは金採掘用の労働エイリアンで、司令官は別にいるのかと思いましたよ。エイリアンの正体を教えにきた美人宇宙人は、どうやって地球にやってきたの。エイリアンの特徴をもっと教えろよ。SFXによる表面的アクションだけの中身のない作品で〜す。
『ランゴ』は笑えます。4人のフクロウの歌と演奏によって物語が進むのは『キャットバルー』だし、他にも『真昼の決闘』とか、色々な映画ネタが出てきます。物語の中心が水争いというのも西部劇の定番ね。ランゴ(声だけでなく、ジョニー・デップがモーション・キャプチャーでアニメの動きも演じている)が水を求めて砂漠を歩く時に流れるのが「クール・ウォーター」で、音楽の使い方が上手いです。エンドクレジットで流れる、ロック調のエレキサウンドや、巻き舌で歌われるラテン調の主題歌はマカロニソング的で、ご機嫌、ご機嫌。