社会派監督らしく

nostalji2011-12-06

録画していた『座頭市牢破り』(1967年・大映/監督:山本薩夫)を観る。八州見廻役(西村晃)と結託してイカサマ賭博で農民から金を巻き上げている岩井の富蔵(遠藤辰雄)が仕切る村にやってきた市は、農民に米の生産アップを指導している大原秋穂(鈴木瑞穂)と知りあいます。富蔵と対立している清滝の朝五郎(三国連太郎)は、バクチで負けた農民の借金を肩代わりする義侠心に富むヤクザで、市は朝五郎の男気に惚れこんで、富蔵を斬って立ち去るんですな。1年後、朝五郎に女郎屋に売られた志乃(浜田ゆう子)に会い、農民に慕われている大原が八州見廻役と結託して二足ワラジとなった朝五郎に捕らえられたことを知ります。市は朝五郎に会い、裏切られたことを知るのね。
勝プロ第1回作品で、山本薩夫座頭市をシリーズ初期の暗いイメージのキャラに戻しています。内容も重苦しい人間ドラマとなっており、爽快さはありませんね。チャンバラも腕が飛んだり、首が転げたりと、過剰なスプラッター・サービスです。好みが分かれる作品で、私は好きになれません。それにしても、三国連太郎変節漢演技は巧いなァ。
時代劇専門チャンネル竹脇無我主演の『鞍馬天狗』を観る。1974年にNTV系列で放送されていたもので、私は1本も観ていなかったものでね。黒姫の吉兵衛=佐野浅夫近藤勇若林豪土方歳三成田三樹夫沖田総司古谷一行、隼の長次=小池朝雄、暗闇のお兼=加茂さくら、とキャストは悪くないのですが、脚本の出来は今イチ、チャンバラは下手くそと、毎回欠かさずに観る必要はないで〜す。