録画していた『座頭市喧嘩太鼓』(1968年・大映/監督:三隅研次)とテレビ版『座頭市物語』の第7話と第8話を観る。
『座頭市喧嘩太鼓』は、一宿一飯の義理から斬った男の姉(三田佳子)のために、市が悪辣なヤクザから彼女を守って諏訪まで旅をする物語です。ラストで市と対決するのは、女に一目惚れした浪人(佐藤允)で、諏訪明神の太鼓が鳴り響く中での決闘となります。市の耳が塞がれるハンデとなり、緊張感のある立ち回りになっていましたよ。それにしても、女を大旦那(西村晃)の妾にして商権を得ようとするヤクザの親分が清水彰で、その兄弟分の諏訪の悪ヤクザ親分が五味龍太郎では、市=勝新太郎を相手にするには貫禄不足で〜す。
『座頭市物語』の第7話「市に鳥がとまった」(監督:田中徳三、脚本:池田一朗)は、ヤクザと結託し、藩の御狩場を不正流用して私腹を肥やそうとする悪家老(名和宏)を、狩場藩士(石原裕次郎)に市が協力してやっつける物語ね。裕次郎の人を殺さない鳥餅剣法が冴えています。
第8話「忘れじの花」(監督:勝新太郎、脚本:東條正年・奥村利夫)は、男(山城新伍)に女郎屋へ売りとばされ、首吊しようとしていた女(十朱幸代)を市が助け、一緒に旅する物語ね。追ってきたヤクザに、市をかばって竹槍で刺される十朱幸代の哀れさが冴えています。