名作とはいえないが

nostalji2015-02-16

今日は健さんの誕生日。録画していた『網走番外地』(1965年・東映/監督:石井輝男)を再見しました。
網走番外地』には原作(伊藤一)があって、東映で作られる前に1959年に日活(主演は小高雄二)で作られています。原作を読んでいないので確かなことではありませんが、東映版は主人公の設定だけを利用した感じです。子母澤寛の原作を基にした『座頭市』と同じようなものね。ストーリーは石井輝男のオリジナルといっていいでしょう。
物語は、橘真一(高倉健)が網走刑務所に入獄するところから始まります。前半は雑居房の囚人仲間(シリーズ常連となる雑居房ボスの安部徹、鬼寅の嵐寛寿郎、お調子者の田中邦衛など)とのエピソードや刑務所生活が、橘真一の過去と共に描かれます。健さんの歌う挿入歌がいいんだなァ。四方田明氏が言っている「哀愁をたたえドスのきいた低音で、服役者たちの心情をうたいあげた健さんの素朴な表現」がグッドです。レコード収録されていない歌詞が流れるのは、聴きどころ。
後半は、囚人仲間の権田(南原宏治)と成り行きで脱走してしまった橘真一が、権田と手錠でつながれたまま雪の原野を逃避行。彼らを追うのが保護司の妻木(丹波哲郎)で、馬やトロッコでの追跡劇は西部劇の感じね。白一色の大雪原でのアクションは魅力タップリで〜す。