子供向け忍術映画

nostalji2017-03-05

友人に送ってもらった東映時代劇『忍術左源太』(1956年/監督:深田金之助)を観る。考証なんか考えていないトンデモ時代劇ですが、これが愉しいんですよ。
家臣の大乗寺大和守(薄田研二)の謀反によって織田信長に滅ぼされた武田勝頼宇佐美淳也)は、自刃の前に財宝の在処を秘めた家系図を娘の手まり姫(三笠博子)に渡し、戸隠左源太(東千代之介)と山名清左衛門(清川荘司)に護らせて信州上田の真田幸村(岡譲二)の許へ旅立たせます。それを知った女忍者おこん(長谷川裕見子)は大乗寺の侍大将軍兵衛(山口勇)と手まり姫を襲撃。左源太とおこんが戦っている時、白覆面の一団が現れ、手まり姫と系図を奪います。左源太は手負いの清左衛門を道端に寝ていたいなご小僧(山手宏)に預け、白覆面を追撃。白覆面の隠れ家で、左源太は手まり姫を救い出し、首領の白雲丸(伏見扇太郎)と戦っている時に盗賊はやて丸(沢田清)が系図を盗み出したのではやて丸を追います。はやて丸が系図を異国商人ジョンビル(吉田義夫)に売ろうとしているところに駆けつけた左源太は、ジョンビルと対決。その間にはやて丸は遁ずらし、いなご小僧と清左衛門が世話になっている芝居小屋の女座長お洋(千原しのぶ)の衣装箱に系図を隠します。それを嗅ぎつけたおこんの報せで大乗寺の軍勢が芝居小屋になだれ込み、いなご小僧や清左衛門と再会した左源太も駆けつけ、それにジョンビルも加わり、系図の争奪戦ね。系図は真っ二つに破られ、大乗寺とジョンビルの手に渡ります。系図を追う左源太の前に白雲丸が現れ、宿命の対決となりますが、白雲丸を育てた修羅婆によって二人は兄弟と判明。父親が大乗寺に領地を奪われ、ジョンビルに殺されたことを修羅婆から知らされた二人は、大乗寺とジョンビルが取引しているところに乗り込み……
左源太とおこん、白雲丸、ジョンビルが忍術合戦を繰り広げるお子様向け映画です。パッ消えたり、炎や霧を出したりするだけの特撮ですが、当時の子供はこれで満足したんですよ。ライオンに化身するジョンビルの南蛮妖術も、実写のライオンが吠えるだけの他愛ないもの。吉田義夫の顔の方が怖かったです。ギョロリとした眼、そげた頬、大きな鼻、太い嗄がれ声の吉田義夫は、当時の子供たちにとって悪役№1で〜す。