WBC絡みで

nostalji2017-03-22

先日ブックオフでゲットしたロバート・ホワイティング:著(松井みどり:訳)の『野球はベースボールを超えたか』(ちくまプリマー新書:2006年4月10日初版発行)を読了。
日本とアメリカの全く異なる野球システムが、どのように発展してきたかの歴史を比較することで検証し、今後の日本プロ野球への提言をしています。アメリカの野球すなわちベースボールが事業として確立してきたのに対し、プロ野球は親会社の宣伝媒体に過ぎなかったことですな。12球団の中で、企業の冠をつけず完全独立採算で運営をしているのは広島カープだけですからね。
著者は色々な提言をしていますが、コミッショナーの強化は賛成です。現在のような名誉職でなく、プロ野球全体を事業としてとらえ、野球を愛しビジョンを持った人が担当しないとダメですね。MLBのように衛星放送・ケーブルテレビ・インターネットなど媒体が増えたテレビ放映権料を一括管理して、各球団に分配する仕組みとか、コミッショナーが独立採算できる必要があります。
私は少数精鋭を信じておらず、有能な人材は競技人口に比例します。現在日本には高校生チームが400以上あり、高校野球の上には大学野球があり、社会人野球がありますが、プロへの育成プロセスが不十分です。スカウトの目にとまらず、ドラフト対象外になった選手の中には磨けば光る逸材がいると思いますよ。MLBは数多くのマイナーリーグを有しており、日本には二軍があるだけ。球団の資金力もあって多くの選手を抱えられない事情があるのでしょうが、それに代わるものが必要でしょうね。
でもって、WBC準決勝はアメリカに1対2で敗れる。野球はベースボールを超えられませんでした。投手陣は互角以上でしたが、守りにミスがあったのと、タイムリーが出なかったのは日本の特長である野球が出来なかったといえま〜す。