渋い男の魅力

nostalji2018-04-30

録画していた『メグレ赤い灯を見る』(1963年/監督:ジル・グランジェ)を観る。ジョルジュ・シムノンの『メグレと生死不明の男』を映画化したものです。シムノンのメグレ・シリーズは戦前から日本の探偵小説に影響を与えていますが、私は1冊も読んでいません。それで、どんなものかと映像でチェックね。
巡回中のロニョン刑事(ギイ・ドゥコンブル)が歩いていた男が車から撃たれるのを目撃します。車のナンバープレートを控え、救護を呼ぶために現場を離れた隙に、撃たれた男は別の車が撃たれた男を連れ去るのね。ロニョンから報告を受けたメグレ警視ジャン・ギャバン)は車の持ち主である酒場のオーナーを尋問。オーナーのポッツォ(ヴィットリオ・サニポリ)は、車は従業員のビル(エドワード・ミークス)に盗まれたと言い、ポッツォが密かに合図した数字からメグレはビルの恋人リリー(フランソワーズ・ファビアン)に辿りつきます。メグレはビルと行動を共にしているのがアメリカから来たチナーリア(リッキー・クーパー)とチチェーロ(マイケル・コンスタンティン)であることを特定。元FBIの米国大使館員マクドナルド(ポール・カーペンター)の情報から、二人はマフィアの大ボス・ダグラスの子分であることがわかり……
ジャン・ギャバンのメグレは三作あり、これは最終作。本格ミステリーでなく、ノワールに近いですね。謎は撃たれた男は何者なのか、男を連れ去ったのは何者なのかですが、撃った男がマフィアのギャングだったことから、ギャングを追いかけ、ギャングが目撃者を殺し、メグレ警視も狙われるという展開になります。謎もギャングを追っているうちに自然と分かってきて、推理する楽しみはあまりありませんな。それにしてもジャン・ギャバンは渋くて風格があり、頼れる男そのもので〜す。