観るのがつらいよ

録画していた『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年/監督:山田洋次)を観る。渥美清の遺作となったシリーズ48作目です。“男はつらいよ”シリーズは、半分くらい観ているのですが、これは未見。
寅さん(渥美清)の消息を気にしていた“くるまや”の面々が、震災後の神戸でボランティアをしている寅さんをテレビニュースで見てビックリから物語が始まります。阪神淡路大震災の年に製作されたんですな。
さくら(倍賞千恵子)の息子の満男(吉岡秀隆)は、恋していた泉(後藤久美子)の結婚をブチ壊して奄美大島へ。そこでリリー(浅丘ルリ子)と出会い、彼女の家に行くと寅さんが居候をしています。満男を追って奄美大島に来た泉に、満男は泉に対する気持ちを告白。満男と泉が結婚すると予想されるラストでしたが、“男はつらいよ”50周年ということで、12月に公開される『男はつらいよ お帰り寅さん』の予告編を見ると、満男は別の女性と結婚しているようです。
美しさ・みにくさ・尊さ・駄目さといった人間の情感を表情豊かに描き出す渥美清の魅力だけで成り立っていたシリーズだけに、この作品の内容は今イチ。肝臓癌を患っていた渥美清は、声にはりがなく、登場シーンも殆ど坐ったまま。観ていて痛々しかったで~す。

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