これで最後

懐かしのテレビ時代劇『お庭番』の10話と11話を観る。

第10話「墓場のない男たち」(脚本:小国英雄大西信行、監督:石川義寛

平間小弥太(山崎努)は、密貿易をしている藩に潜入。既に潜入している隠密たちと商人たちが持っている証拠の品を奪おうとします。家老の水上兵庫(水島道太郎)は、凄腕の忍者・蓮見了介(菅貫太郎)を雇って忍者狩り。小弥太は兵庫の屋敷に忍んでいるところを了介に見つかり傷を負います。お吟という女性(北林早苗)に助けられ、看病してもらっているうちに二人は愛しあうようになるのね。潜入している隠密たちは了介に次々に葬られ、小弥太は了介と対決。ひとり生き残っていた隠密に証拠の品を託し、小弥太はお吟と結ばれてメデタシ、メデタシ。

第11話「危機一発」(脚本:下飯坂菊馬、監督:監督:小野田嘉幹

幕府が禁止している城郭改築の証拠の絵図面を手に入れた隠密・不破数馬(木村功)は、簪の中にそれを隠し、馴染みの芸者・小舟(加賀まりこ)に渡します。小舟が目明しに襲われているところを駕籠かきの丈八(緒形拳)が救出。丈八は数馬の仲間に間違われ、数馬を追う藩士の天童一角(中村敦夫)に狙われることになるんですな。緒形拳のコミカルな演技が見どころの一編。

お庭番は8代将軍・吉宗の時に設置された将軍直属の情報機関なんですが、このシリーズでは隠密の総称として使っていますね。1話や5話の頃には存在しません。ロケを多用し、忍者が走り回る動きのある画像となっています。当時は、時代劇に使える場所が数多くあったんですねェ。道路は舗装され、高速道路が走り、観光地化した今では、超ロングで風景を映すのは不可能です。

ひとつとして、時代劇の定番フォーマットはなく、濃い内容となっており、テレビ時代劇が最も充実していた時期の作品といえます。ちなみに、ナレーションは小沢栄太郎が全話担当。

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