西部劇からみで

西部劇の先輩に教えてもらった東理夫:著の『アメリカのありふれた町で』(天夢人:2021年8月18日初版発行)を読了。実際に旅をして、町を訪ね、人と出会って知った西部劇に関連するエッセイです。

ストップモーションの後で……ブッチ・キャシディサンダンス・キッドのその後。

ウイリー・ボーイの丘……ひとりのインディアンが罪を犯し逃避行へ至った訳とは?

間違われたロデオ・スター……伝説の黒人カウボーイ、ビル・ピケットをめぐる誤解。

ハウンテッド・ホテル物語……クラーク・ゲイブルとその妻の幽霊が現れるホテルで。

サン・アントニオと三河との間に……アラモ砦に地理学者・志賀重昴が立てた石碑。

サンタ・ローザの空の下……薩摩からカリフォルニアへ。葡萄酒王・長沢鼎の生涯。

大統領をマットに這わせた男……シオドア・ローズベルトと日本人柔道家の友情。

ビリー・ザ・キッドを追って……いまなお愛されつづける“少年悪漢王”は、本当に銃弾に倒れたのか?

ウイリー・ボーイとビル・ピケットについては、『夕陽に向かって走れ』と『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール報復の荒野』を観たばかりだったので面白く読めました。

ビリー・ザ・キッド生存説は色々な書物で目にするものですが、キッドの死体の写真が撮られていないというのは、着眼としてはグッド。暗殺でなく、官憲によって殺された無法者の死体は、たいてい写真に撮られていますからねェ。著者の強みは旅をし、実際に現地を訪れていること。旅行記としても楽しめま~す。

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