録画したままだった『太陽の帝王』(1963年/監督:J・リー・トンプソン)を観る。マヤ族の王子とインディアンの酋長との友情と戦いを描いた歴史アクション映画。
マヤ族のバラーム王子(ジョージ・チャキリス)は、西方の部族ヒュナック(レオ・ゴードン)に急襲されて父を殺され、司祭(リチャード・ベースハート)や隊長(ブラッド・デクスター)たちと海辺の村に隠れます。しかし、そこもつきとめられ、漁船を集めて村人たちと新天地を目指して海上へ逃亡。テキサスの海辺にたどり着いた彼らは村作りを開始。バラームと村長の娘イスチェル(シャーリー・アン・フィールド)は互いに惹かれあっていましたが、バラームは愛していることを告白できません。そんな時、インディアンの部族長ブラック・イーグル(ユル・ブリンナー)が村の様子を探りに来て戦いとなり深手を負います。イスチェルの介護によりイーグルは回復。司祭がイーグルを太陽神のいけにえにしようとしますが、バラームが止めます。バラームとイーグルに友情が芽生え、マヤとインディアンの両部族は互いの良いところを認め合い、共同生活をはじめますが、イーグルがイスチェルを愛しはじめたことから……
バラームとの友情にひびが入り、マヤ族との関係が壊れそうになった時、ヒュナックの大軍が押し寄せ、イーグルは苦戦のバラームを救援して重傷を負い死にます。ブリンナーの儲け役といった作品です。
マヤ文明は紀元前1000年頃に起こり、5世紀に階段式巨大ピラミッドが建造されるようになり、8世紀が絶頂期。9世紀から衰退しはじめ、16世紀にスペインによって滅亡。でもって、この映画の時代背景ですが、内紛が頻発した10世紀頃だと思われます。壮大な歴史劇を期待したら、完全に肩すかし。マヤ族は鉄器を持っておらず、武器が貧弱ですからね。砦のような小さな村での攻防では、エルマー・バーンスタインの音楽も今イチ盛り上がりませ~ん。