懐かしの泥棒映画

録画していた『トプカピ』(1964年/監督:ジュールス・ダッシン)を再見。エリック・アンブラーの『真昼の翳』を映画化した軽妙な泥棒映画。

女盗賊のエリザベス(メリナ・メルクーリ)は、凄腕の大泥棒ウォルター(マキシミリアン・シェル)を口説いてイスタンブールのトプカピ宮殿にあるサルタンの短剣を盗む計画をたてます。二人は発明好きのセドリック(ロバート・モーレイ)や軽業師に力持ちといった仲間を集め、ギリシャに集合。小悪党のシンプソン(ピーター・ユスチノフ)を使って、盗み道具を隠した自動車をイスタンブールまで運ばせますが、国境の検問でそれが見つかり、シンプソンは逮捕されます。武器があったことから、トルコ国家警察はテロ組織による密輸と考え、密偵になることを条件にシンプソンを釈放。イスタンブールについたシンプソンはエリザベスたちの行動を探ります。仲間の力持ちがケガをしたことから、エリザベスはシンプソンを代わりにしようと考え、計画を打ち明けて仲間に加えますが……

登場人物の紹介や警察に別のことで怪しまれて計画を修正するまでも面白いのですが、何といってもサルタンの短剣を盗み出す場面が秀逸。最近の泥棒たち(SFXを使って超人的)と違って、生身の面白さがあります。小鳥の羽がふれただけでも警報がなる床の上にある陳列ケースから贋の短剣にすりかえるのですが、この泥棒アイデアはこの後いろいろ作品で使われるようになりましたね。エンディングも洒落ていてグッド。

ユーモアの中にスリル満点で、再見でも同じ興奮を味わいました。マノス・ハジダキスの音楽もグッドで~す。