久しぶりの読書

飯城勇三:著の『密室ミステリーガイド』(星海社:2023年7月10日第2刷発行)を読了。“密室”の独奏と変奏の歴史を辿る本格ミステリーガイドです。

問題編と解決篇からなり、「モルグ街の殺人」から始まる海外20作、「本陣殺人事件」から始まる国内30作の50作品を紹介。未読の作品が殆どで、密室トリックは出尽くしたと思っていたんですが、いろいろとアレンジして新たな作品が生み出されているんですね。

密室トリックを分類すると、①機械的密室(外側から何らかの方法で密室にする)、②犯人は人間以外(動物や自然現象など)、③被害者が密室状態にして死亡、④犯人が外から密室にいる人物を殺害、⑤目撃者の勘違いなど。

でもって、なにゆえ密室にするかというと、①自殺に見せかけるため、②幽霊など超自然の殺人に見せかけるため、③犯人は密室にする気はなかったが、アクシデント(予期せぬ降雪など)で密室状況が生まれたため、④犯人が不可能性で法的に守られようとしたため、などがあります。

最近の作品は、密室トリックを成立させるための仕掛けに面白さがあるようで~す。