興味がひかれて

マカロニ西部劇で知られるようになる前に主演したトーマス・ミリアンの『国境は燃えている』(1965年/監督:ヴァレリオ・ズルリーニ)をブックオフでゲット。さっそく観賞。戦争メロドラマでした。

第二次大戦下のギリシャ、イタリアの歩兵中尉マルチーノ(トーマス・ミリアン)は、独伊占領下のアテネから山岳地帯のイタリア軍駐屯地へ慰安婦12名を運ぶ任務を命じられます。慰安婦のひとりトゥーラ(レオ・マッサリ)についてきた妹をマルチーノは黙認。彼女たちを運ぶトラックはカスタニョーリ軍曹(マリオ・アドルフ)が運転。途中で奥地に向かうという黒シャツ隊のアレッシ少佐(アッカ・ガブリック)が同乗してきます。少佐はトゥーラに手をつけ、軍曹はエベ(ヴァレリア・モリコーニ)という古手の娼婦と親しくなります。マルチーノは無口なエフティキア(マリー・ラフォレ)に惹かれますが、エフティキアの親友エレニッツァ(アンナ・カリーナ)がマルチーノを誘惑。ギリシャ抵抗勢力パルチザンがトラックを襲撃。エレニッツァが胸に銃弾をうけ、苦しむ彼女をアレッシが射殺。エフティキアが怒ってアレッシに銃を向けますがマルチーノがとめます。一行は徒歩で目的地に着きますが、そこでは黒シャツ隊が町を破壊。エフティキアは少年が銃殺されるのを目撃します。マルチーノとエフティキアは愛しあうようになっていましたが、エフティキアがパルチザンの仲間に加わるために山に登っていくのを黙って見送るだけ。

愛しあいながら敵国同士のため別れることになる戦争悲劇。お国柄のせいか、意外と深刻さがありません。軍曹とエベのやりとりなんか、笑えますよ。異色の戦争メロドラマといえま~す。