出ているだけだった

録画していた『俺の背中に陽が当る』(1963年・日活/監督:中平康)を観る。兄の無実をはらすためにヤクザの卑屈な罠に挑戦していく若者を描いたアクション映画。

ビルの窓拭きをしている滋(浜田光夫)の兄・健三(内田良平)が出所してきます。健三は山田組の幹部でしたが、妻(南田洋子)と子どものために堅気になろうと決意。滋と働きはじめますが、盗難事件があり、犯人と疑われて二人とも馘。山田組の小谷(山内明)は、組を乗っ取るために組長(安部徹)を殺し、健三を呼び出して罠にかけます。健三は組長殺しの犯人にされ、警察に捕まった健三をチンピラが殺害。滋は真相を究明するために、恋人(吉永小百合)が止めるのもきかず、小谷の子分になります。組長殺害を目撃した証人を滋は見つけますが……

主題歌まで歌っている浜田光夫の映画で、吉永小百合は刺身のツマに過ぎません。小百合ファンに向けた客寄せパンダですな。中平康の演出にも、持ち味の冴えた映像テクニックがなく凡作。オリンピック前のいたるところで工事中の東京の風景だけが見どころで~す。