Prime Videoで、『若親分喧嘩状』(1966年/監督:池広一夫)を観る。
国外へ逃亡していた南条武(市川雷蔵)は上海で陰謀家の手から蒙古王女トクーズ(江波杏子)を救出。日本に連れ帰って国士の木島(三島雅夫)に預けます。陸軍過激派の川上中佐(戸浦六宏)は蒙古独立を名分に大陸進出を計画しており、トクーズを捜索。武は死んだ父の弟分だった高遠(北竜二)を訪ね、高遠組の客分になります。横浜では新興ヤクザの猪之原組と高遠組が対立。港新報の山本(滝田雄介)はヤクザを憎み、新聞にヤクザの悪行を掲載。猪之原組が山本を襲いますが、武が山本を救い、山本の妹・早苗(高田美和)は武に好意を持ちます。猪之原(内藤武敏)は、横恋慕している芸者・喜久松(小山明子)を自分のものにしようとして武に邪魔をされ、武と対立。日本の海運業を独占しようとするビクトル(ピーター・ウィリアムス)は、阿片の密輸で手を組んでいる猪之原組を使って海運会社の乗っ取りを企んでいますが、海運会社の総会を高遠組が猪之原組の妨害から守ります。トクーズを奪うために陸軍過激派の熊田大尉(五味龍太郎)は、川上中佐が止めるのも聞かず、木島を襲撃。武は木島の遺言を守り、親友の竹村少佐(戸田皓久)に頼んで海軍の力でトクーズをアメリカに亡命させます。倒れていた阿片患者を武と早苗が救ったことから、山本の活躍で猪之原組の資金源である阿片窟が警察の手入れで消滅。猪之原が武を狙って間違って高遠を殺したことから、武は猪之原に喧嘩状を出して対決。
蒙古王朝の姫の江波杏子、昼は救世軍で働き夜は新聞の活字拾いを手伝う清純な娘の高田美和、凄艶な芸者の小山明子と、女優は彩り鮮やかなのですが、ヤクザの親分の内藤武敏は貫禄不足。総会屋のようなヤクザというのは東映任侠映画にはない存在で面白かったのですけどね。海軍士官の軍服姿で、戸浦六宏たち陸軍将校と対決する雷蔵の折り目正しさにグッときま~す。
