生きていたら不都合

nostalji2012-02-04

西部劇ビデオの『100挺のライフル』(1969年/監督:トム・グリース)を観る。ヤキ・インディアンの反乱に荒れる1912年のメキシコを舞台にしたアクション西部劇です。フェニックスの銀行から6000ドルを強奪したヤキ・ジョー(バート・レイノルズ)を追って保安官のライデッカー(ジム・ブラウン)がメキシコの町にやって来るんですな。ヤキ族の女闘士サリータ(ラクウェル・ウェルチ)たちがベルドゥーゴ将軍(フェルナンド・ラマス)によって処刑されそうになった時、ヤキ・ジョーが騒ぎを起こしてサリータを逃がしますが、逃げ遅れたヤキ・ジョーはベルドゥーゴ将軍に捕まります。ライデッカーはベルドゥーゴ将軍にヤキ・ジョーの引渡しを要求しますが、逆に監禁されるのね。ライデッカーとヤキ・ジョーは、しめし合わせて脱出し、サリータたちと合流します。6000ドルは反乱軍のための100挺のライフル購入に使われており、反乱軍総大将のもとへ輸送することになるんですが……
インディアンとメキシコ政府軍の戦いが随所にあるんですが、集団アクションの演出は歯切れが悪く、満足いく壮絶シーンになっていません。政府軍の列車を奪い、その列車で政府軍の町に突入するクライマックスは、もっと迫力を出せると思うんですけどね。一緒に行動していくうちに、追う者ライデッカーと追われる者ヤキ・ジョーに友情が芽生え、強い助っ人ライデッカーとヒロイン・サリータに恋が芽生えるというのは、この手の娯楽アクションでは定番ね。黒人のジム・ブラウンを主役にしたのは、1960年代後半に黒人ブームがあったからなんでしょうが、ジム・ブラウンとラクウェル・ウェルチのベッドシーンは話題を呼んだようです。何しろ、黒人と白人女性のラブシーンはご法度というのが当時のハリウッドの常識でしたからね。乱戦でサリータが死に、ライデッカーがヤキ・ジョーに後を託してアメリカに帰るラストは、観客の目を意識したものでしょう。
録画していた『新・座頭市(第1シリーズ)』の第21話「契り髪」(監督:勝新太郎、脚本:中村努)を観る。ヤクザの情婦(由美かおる)の身投げを救った市が、女と交流するうちに女との約束で仕込みを女の髪で封印するんですな。しかし、女の情夫(峰岸徹)が追ってきて、仕込みを抜くことになります。由美かおるの情感豊かな演技は初めて目にするものでした。カツシンは女優を撮らせたら巧いなァ。