最後に

録画していた『女帝・春日局』(1990年/監督:中島貞夫)を観る。春日局が大奥を支配するようになるまでの物語です。

稲葉正成原田大二郎)の妻ふく(十朱幸代)は、夫の仕官依頼のため伏見城徳川家康若山富三郎)を訪ねますが、好色な家康に迫られ身ごもります。1年後、江戸城では秀忠(金田賢一)の正室お江与が懐妊。乳母が募集され、ふくは乳飲み子を連れて参上。お江与の陣痛が予定より早くなり、男児を死産。秀忠は家康から男児誕生が将軍の条件とされており、大姥(草笛光子)は民部の局(名取裕子)と相談して死産を隠し、ふくの子を替え玉にします。ふくは自分が乳母になることを条件に受け入れ、秀忠の子・竹千代として育成。しかし、2年後、お江与に国松が生まれたことから……

家光が家康と春日局の子どもだったというトンデモ映画。最近作の『多十郎殉愛記』と比べると、考証は別にして、この作品の方がはるかに時代劇らしさがあります。江戸城大奥の奥行ある映像。大道具・小道具の使い方の巧さ。時代劇衰退時代の作品ですが、まだ伝統とか文化の蓄えがあって、末端のスタッフやその他大勢の俳優にまで普通にできたんですね。30年も経つと、蓄えも底をついたようです。

今では巨匠扱いされている中島貞夫ですが、彼の持ち味は、やっぱりB級作品で~す。

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