殺陣の魅力

nostalji2011-11-26

録画していた『座頭市千両首』(1964年・大映/監督:池広一夫)を観る。スクリーンでリアルタイムに観た最初の“座頭市”で、それだけに思い入れのある作品です。3年前に心ならずも斬った男の墓参に板倉村に訪れた座頭市勝新太郎)は、上納金の千両箱が強奪されるという事件に巻き込まれます。犯人は赤城山に立てこもっている国定忠治島田正吾)一家で、市もその仲間とみなされたことから、真実を確かめるべく赤城山へ。そして、千両箱を盗んだのが、味方のふりをしていた二足わらじの紋次と代官とわかり、市は身の潔白を証明するために千両箱を取りかえします。しかし、市の前に紋次の用心棒・仙場十四郎が立ち塞がり……
国定忠治は『座頭市・兇状旅』にも登場(その時の忠治は名和宏)していますが、板割りの浅太郎や日光の円蔵といった国定忠治一家のお馴染みのメンバーが登場する赤城山の一編ね。島田正吾の演技が臭くて、ひとり浮いている感じです。新国劇の看板ともいえる“国定忠治”ということで、少し演技過剰になったのかな。
この作品の見どころは、カツシンとワカトミの対決です。ワカトミが馬に乗って鞭をカツシンの首にからませ、引きずり回すシーンはスピードがあって迫力満点です。映像テクニックでごまかすアクションでなく、身体を使った立回りですからね。座頭市の殺陣の中でも屈指の一つで〜す。
名監督だった西本幸雄(91歳)さんが亡くなる。広島カープ・ファンだった私としては、1979年の近鉄との日本シリーズが忘れられませんね。あの時(江夏の21球)だけは、近鉄優勝と思いましたからね。最大のチャンスを逃し、結局リーグ優勝8回しても日本シリーズでは優勝できない悲劇の闘将として名を残しました。いつまでも記憶に残る名将に合掌。