録画していた『座頭市と用心棒』(1970年・大映/監督:岡本喜八)を観る。癒しのために市が3年ぶりに訪れた村は、ヤクザの政五郎(米倉斉加年)一家が暴れまわっていた。以前世話になった兵六爺さん(嵐寛寿郎)の紹介で、政五郎一家と対立している大商人の烏帽子屋(滝沢修)の按摩をした市は、烏帽子屋から味方になって欲しいと頼まれる。烏帽子屋と政五郎は親子だが、犬猿の仲だった。政五郎は邪魔な市を殺すように用心棒(三船敏郎)に頼むが、お互いに相手の強さを認め合った二人は、梅乃(若尾文子)の店で酒を酌み交わす仲となる。用心棒は公儀隠密で、烏帽子屋の次男で金座支配となっている三右衛門(細川俊之)が悪貨に改鋳して着服した金を追っていた。金の隠し場所は烏帽子屋だけが知っており、政五郎をたきつけて騒ぎを起こし、隠し場所を探っていたのだ。雇った用心棒(岸田森)と一緒に、江戸から三右衛門も村にやってきて、金の争奪戦が始まり……
豪華キャストに加え、宮川一夫の撮影、西岡善信の美術、伊福部昭の音楽、そして監督が岡本喜八とくれば、それなりの出来となっていて満足できますが、このメンバーでの上出来作品とはいえません。レオーネの『ウエスタン』と同じようなものですね。
目玉である座頭市と用心棒の居合い対決は工夫しています。スター同士の対決ではどちらも殺すわけにいかず、作り手は苦労したと思いま〜す。