週に一度は西部劇

録画していたBSシネマの『大いなる勇者』を観る。20年以上前にビデオで観て以来の再見です。1850年代のロッキー山中を舞台に、ジェレマイア・ジョンソンという実在したマウンテンマンの生き様を描いた作品。

ジョン・ルーベンスタイン音楽による序曲に始まり、マウンテンマンになるためにジェレマイア・ジョンソン(ロバート・レッドフォード)が彼らの交易地に来たところから物語が開始します。ロッキー山中に入ったジョンソンは、雪の中で凍死している男を見つけ、遺書で彼の持っている50口径の高性能ライフルを取得。思いがけない授かりものに加えて、クリス(ウィル・ギア)と出会い、山中での生活手段を教えてもらいます。独り立ちしたジョンソンは狂暴なインディアンに家族を襲われて口のきけなくなった少年ケイレブを助け、生き埋めにされていたデル・ギュー(ステファン・ギーラッシュ)を救い、インディアンを倒して奪われたデル・ギューの獲物を奪還。友好的な別の種族から感謝され、酋長の娘スワン(デル・ボルトン)を嫁に貰います。スワン、ケイレブと山の自然の中で平和に暮らす日々が続いていましたが、騎兵隊がやってきて、立ち往生している幌馬車隊救助の道案内をジョンソンに依頼。ジョンソンは騎兵隊に力を貸すために二人を残して家を出ます。騎兵隊はジョンソンの忠告をきかず、クロウ族の墓地を通行。ジョンソンが家に帰ると、スワンとケイレブがクロウ族に殺されています。復讐の鬼と化したジョンソンはクロウ族を追跡し……

レッドフォード以外は名も知らぬ役者ばかりですが、それが逆にこの作品を新鮮なものにしています。ジョンソンの目を通して描かれているのでレッドフォードの演技に負うところが大。感情を内面に押しころしたレッドフォードの演技は見事。淀長さんがパンフの解説で、レッドフォードの代表作のひとつになるだろうと語っていましたが、まさにその通り。

今回の放映は、公開時の上映と同じように、序曲→本編→インターミッション→本編再開となっています。それほど長くもない作品ですが、どんな映画か、音楽を聴きながら思いをはせる時間を観客に提供していたんですね。最近の映画はどんな大作でも休憩タイムがなく、私のような年寄りはスクリーンから足が遠のきま~す。