録画していた『一心太助・江戸っ子祭り』(1967年・東映/監督:山下耕作)を観る。人気歌手だった舟木一夫が歌って大暴れする明朗時代劇。
威勢のいい魚屋の太助(舟木一夫)は義侠心に富んでいて、スリから更生した金太(花紀京)の魚屋修行を手伝ったり、魚屋仲間の博奕の借金を肩代わりしたことから、無頼の浪人・新八(里見浩太朗)と知りあいます。大久保彦左衛門(加東大介)の還暦祝いに鯛を届けた太助は、将軍・家光(舟木一夫の二役)から賜った皿を割った腰元・お仲(藤純子)が手討ちにされそうになるのを目撃。太助は残りの皿を全部割って、皿より人の命が大切と啖呵をきり、彦左衛門を感心させます。それ以来、彦左衛門と太助は身分をこえた親分子分関係。その頃、勘定奉行・川勝丹波守(小池朝雄)と結託した相模屋(遠藤辰夫)が魚河岸を我が物にしようと企んでいます。そのため魚河岸では何かともめごとが絶えず、丹波守は魚河岸の問屋株を買い占めた相模屋を松前屋(香川良介)に替えて魚河岸総代に任命。太助は魚河岸の窮状を彦左衛門も訴えます。彦左衛門は丹波守に忠告しますが、家光から政治に口出しするなと命じられ、太助の力になれないことを苦にして病死。お仲に励まされた太助は、相模屋の悪事の証拠を握って、丹波守と松前屋を倒そうと決意。仲間たちも情報を集め、新八も太助の味方になります。新八の父は丹波守の用人でしたが丹波守の所業を諫言して死んでおり、丹波守は新八の父の仇。丹波守の私邸で相模屋が丹波守に賄賂を渡す現場に乗り込んだ太助たちは大暴れ。駆けつけた松平伊豆守(品川隆二)配下の捕り方が、丹波守一味を一網打尽にします。
舟木一夫の時代劇映画初主演作品。舟木一夫の一心太助は爽やか青年といった感じ。中村錦之助の“一心太助”シリーズと同じように徳川家光と太助の二役で、それをしっかり演じわけています。だけど、錦之助と比べると、天秤棒で大暴れしても細身の舟木では迫力がありません。その代わり、劇中で主題歌だけでなく、挿入歌「淋しかなんかないよ」を歌い、藤純子とデュエット(曲名不明)までしていま~す。
