謎解きよりも

nostalji2011-06-14

江戸川乱歩全集の第9巻を再読。『幽霊塔』『悪魔の紋章』と随筆8編が収録されており、『幽霊塔』を読了しました。怨霊が住むという時計塔のある洋館を舞台にしたスリラーミステリーです。その洋館には埋蔵金が隠されていて、そのことを知っている人物が埋蔵金を自分のものにするために犯罪を行うんですな。
映画化(1948年・大映/監督:佐伯幸三)されていますが、原作には遠くおよばない駄作でした。登場人物の名は全て変更され、時代設定も原作の大正4年から映画製作時の昭和23年に変更されていましたね。殺人罪で投獄されたヒロインが、整形手術をして別人となって自分を罠にかけた犯人を捜索するというムチャな設定は同じでしたけどね。
原作もミステリーとしては首をかしげる所は多々あるのですが、カラクリだらけの時計塔での追跡劇などは乱歩タッチでワクワクします。ストーリーよりもゴシックホラーの雰囲気を楽しむので〜す。