昨日に続いて

nostalji2012-08-18

西部劇DVDの『反撃の銃弾』(1957年/バッド・ベティカー)を観る。金持ちの人妻(モーリン・オサリバン)といっしょに3人組の強盗団(リチャード・ブーン、ヘンリー・シルヴァ、スキップ・ホメイヤー)に捕まったカウボーイ(ランドルフ・スコット)が隙をとらえて反撃するお話です。エルモア・レナードの原作をバート・ケネディが脚色しているのですが、今イチ面白くありません。
スコットは荒牛乗り(荒馬乗りでなく牛というのは珍しい)の賭けをして乗ってきた馬を失い、顔見知りの馭者(アーサー・ハニカット)の駅馬車に同乗するんですが、その駅馬車は新婚金持夫婦の貸切だったんですな。駅馬車中継所で金を積んだ定期便と間違えて、リチャード・ブーンを首領とする強盗団が襲います。馭者が殺され、新婚の夫は妻オサリバンの実家が金持ちなのでオサリバンを人質にして身代金を払うことを条件に命乞いします。スコットに好意を持ったブーンは、スコットを殺そうとするシルヴァを止めます。
この作品の致命的なのは、中継所の父子を殺し、馭者を殺し、身代金交渉の済んだ夫を殺した凶悪犯が、生かしておく必要のないスコットを何故か殺さないことなんです。ブーンとスコットが昔馴染みで、スコットを仲間にしようとするんなら解かるんですけどね。
ブーンが身代金を取りに行き、スコットがシルヴァにブーンが金を持ち逃げするかのような暗示をかけて追いかけさせ、オサリバンに色気で協力させて一人残ったホメイヤーを倒します。銃声を聞いて隠れ家に戻ってきたシルヴァを、オサリバンに拳銃を撃たせて弾丸が無くなったと思わせ、おびき出して倒します。最後のブーンは待ち伏せして金を取り返し、自分を殺さなかった返礼として立ち去ることを許すんですが、立ち去ったと見せて発砲してきたのでショットガンで仕留めます。スコットは普通の人より少し銃が上手いという程度で、頭脳プレイで敵を倒していくところが妙味です。ヘンリー・シルヴァの冷酷な殺し屋ぶりがグッド。スコットを殺さなかったリチャード・ブーンが阿呆で〜す。